現実は甘くないけど、希望を持つことを忘れてはならない。美しくも重たさのある絵物語『シュナの旅』を読んで

『シュナの旅』は、ジブリの映画監督・宮崎駿さんが1983年に描かれたオールカラーの絵物語。時系列でいえば、『風の谷のナウシカ』の連載を開始したのとほぼ同時期に描かれた作品。

手にしたきっかけは、取材・執筆をした「野 原」のInstagramで、作品とともに『シュナの旅』が紹介をされていたからです。

まっすぐに生きる2人の心のつながり

あらすじ
作物の育たない貧しい国の王子シュナは、大地に豊饒をもたらすという「金色の種」を求め、西へと旅に出る。つらい旅の途中、人間を売り買いする町で商品として売られている姉妹と出会う。彼女らを助けた後、ひとりでたどり着いた「神人の土地」で、金色の種を見つけるが…。

美しくも重たさのある絵物語。生きるとは何か、その中で幸せとは何か、といったテーマについて考えさせられます。

作物の育たない貧しい国の王子シュナが、旅を続けるうちに訪れたのが人間を商品として売り買いする町。そこで出会ったのが、貧しく奴隷として売られようとする姉妹。

王子シュナは姉妹を「かわいそう」と思い、お金を持っていなかったが、持っていた唯一の武器である銃をお金の代わりに姉妹を救おうとする。

姉であるテアは、「(銃と引き換えに私たちを助けては)いけません!」と、自ら救われるのを断るのです。なぜなら唯一の武器を手放せば、王子シュナもすぐに狩られることを気配って。

この本を紹介するにあたり、何回か読み直しているのですが、奴隷として売られる場面にも関わらず、女性として、ひとりの人として、芯の強さを貫いてるテアがかっこいい。

抵抗できない現実の濁流に流されながらも、そのことに対して必死で抗い、希望を持つことを忘れてはならない。

シュナもテアも、生きる上で大事にしている姿勢や美学が描かれていて、何度も読み返したい一冊になりました。

それでは、このへんで。
今日も、よい人生とよい旅を。

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大学在学中より独学で観光メディア・ウェブサイト制作を始め、新卒フリーランスとして独立。2016年にドローンと出会い、空撮の魅力にはまり、国内外をドローンと共に巡る。2020年観光メディア「TRIP OFF」立ち上げ準備中。